青い目の人形と答礼人形について
令和元年8月23日の福井新聞に掲載されましたコラムをお知らせします。
福井県内で唯一の「青い目の人形」がおおい町の町立郷土資料館で展示されている。
1927年(昭和2年)、排日移民法の成立で日米関係の悪化を憂いた米国人宣教師が全米で提唱、日本の渋沢栄一が窓口となり、約12000体の青い目の人形が全国の小学校や幼稚園に贈られた。
福井県内に青い目の人形が152体贈られ、現在、存在が判明しているのは、本郷小学校の1体のみである。
今年、福井県のおおい町出身の作家の生誕100年で催事がおおい町で開催されている。
水上勉は「停車場有情」の作品の中で、当時小学3年生だった水上勉は、学校をあげて青い目の人形の歓迎式典を行い、盛大に人形を迎えたことを記している。
この青い目の人形は日本の3月のひなまつりにひな人形の横に展示するようにと送られ、日本は、返礼品としてアメリカの12月のクリスマスに日本の各県から代表人形として市松人形(答礼人形)を送っている。
太平洋戦争がはじまると、友情のための人形が日本では敵国の人形といって憎しみの対象となり、各地で竹やりで突かれたり、焼かれたりした。現存するのは330体のみである。
しかしながら、日本がアメリカに送った答礼の市松人形は今現在もアメリカの資料館や博物館で大切に保管されている。
日本からは貴重な市松人形が送られ、アメリカからは多くの青い目の人形が送られたこともあるが、国民性の違いもあったと思われる。
福井県で「青い目の人形探し」をここ十数年続けている筆者にとっては、何とか福井県で青い目の人形がもう1体でも見つからないかと思案しています。
情報等がありましたらご連絡をお願いします。
リメイクの昨今の流れ
現店舗でひな人形のリメイクをはじめて数年たちますと、最初の頃は七段15人を2人、5人等のご希望が多かったです。
最近は、ガラスケースのお人形が大きいから小さくしたいとのご希望があります。
本来、ガラスケースのひな人形はコンパクトに手軽に飾られて便利の主旨で生まれました。ところが、最近はそのケースをさらに小さく、又は中のひな人形を少なくしてよりケースを小さくとおっしゃる方がみえます。
もちろんケースも大・中・小と大きさが各種あります。
以前はガラスケースのみでしたが、最近はアクリルケースもあります。
以前は黒のケース枠が多かったのですが、最近はカラーも豊富で、ピンク、ブラウン、グリーンの枠のケースもでてきました。
形は四角形が圧倒的でしたが、パノラマ型、六角型、かぶせ型、ケースの背面にイルミネーションのLEDが取り付けられているケース等があります。
ケースの一例を申しましたが、一段、二段、三段もそのように変化・進化し、職人さんたちが競い合って現代にマッチしたものを製作しています。
みんないかに日本古来の伝統的文化遺産であるひな人形を、これからも飾っていただくには、どうしたら飾っていただけるか考えています。
お手持ちのひな人形をそのまま飾られるのがもちろんベストですが、引っ越しや住宅事情で、展示のスペースがなくなられても飾れるとお考え下さると人形屋としては幸いです。
やまだによくひな人形をお持ちになって「春を彩るひな祭り」の20段に飾って下さいとおいていかれます。
ここにだされるともう戻りませんよと申しますと、もう一年考えてみますとおっしゃる方もみえます。
殿と姫のお二人だけとか三人官女といっしょに5人だけ手元に残されて、ひなまつりの時期に飾られるといかがですかと申しますと、そうしますとおっしゃる方もみえます。そのおり、お道具の屏風、ぼんぼり、桜花と御道具をおすすめすると納得されます。
中には、お道具無しの人形のみをお持ち帰りになられる方もいらっしゃいます。
いかようにも、ひな人形はお飾りできることをお話しました。
五月人形のリメイクも可能
ひな人形同様、五月人形もどのような形であれ、リメイクできます。
五月人形はもちろん男の子の御祝用品ですが、ご家族にとってそのご家族の長男さんであれば、跡取りとしてのお喜びもひとしおです。次男さん、三男さんならその五月人形を大切にされ、ご自分で環境が変わってもご自分の五月人形を飾られる方もいらっしゃいます。
ケース等に飾られて、一年中お飾りになる方もいらっしゃいます。
ひな人形と同様に、ケース、収納箱、一段、二段飾りがリメイクの主流となっています。