人形の行事について

端午の節句についてと七夕・重陽の節句について

端午の節句とは

前回の続きになりますが、端午の節句についてお話しします。(前回のブログは下記リンクからどうぞ)

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端午の節句について

菖蒲といえば、刀のようにまっすぐに伸びた葉にむらさきの花。とくに根や葉は、とても清々しい香りがします。また、この菖蒲は昔から薬草として使われていました。菖蒲の葉を風呂に浮かべて入る菖蒲湯は、香りを楽しむ他に病気にならないようにとの思いが込められています。また、お湯で柔らかくなった葉を、お利口(りこう)になりますようにと頭に巻いたり、おなかをこわしませんようにとおなかに巻いたり、枕の下によもぎと一緒に敷いて寝ると病気にならない、玄関に飾ると魔除けになるなど、菖蒲にはいろいろな言い伝えがあります。端午の節句に菖蒲湯を楽しむのもいいかもしれません。

かしわの木の古い葉は、新しい葉が育つまで枯れないといわれています。このことから、かしわの葉が端午の節句に使われるようになったのは、「子孫繫栄」の願いが込められているからです。かしわは神事にも使われるおめでたい木で、葉はこの季節に心配な食中毒を防ぐ役目もあります。このように、子どもの健康を気づかい、家族の幸せを願う親の気持ちから、かしわ餅が端午の節句に食べられるようになりました

春分の日の頃から、お菓子屋さんにちまきやかしわ餅が並び始めます。(五月人形もその頃から飾りだします。)初節句の場合は、お祝いが届けられることを考慮して、少し早めに飾っておくとよいでしょう。飾る向きは、通常東か南向けになりますが、間取りを考慮したり、マンション等の場合、玄関からの動線を優先して方向にとらわれず飾りましょう。

お祝いのしかたは、5月5日、または前の晩(宵節句と言います)に、両家のご両親やご友人などをご招待して、心づくしの料理でお祝いします。お祝いをいただいた方も招待すればお返しの必要はありませんが、来られない方には内祝として、ちまきやかしわ餅でお返しをするのもよいかもしれません。

五月飾りの種類について、五月飾りは成長の無事を祈るために家の中に飾る「内飾り」(鎧飾り・兜飾り・子ども大将飾り)と、立身出世を祈るための屋外に飾る「外飾り」(鯉のぼり・武者幟)に大別されます。

次男、三男の場合は、五月人形は赤ちゃんの身代わりとなって厄を受けていますので、一人一人のお守りなのでそれぞれに揃えてあげるのがよいでしょう。

なぜ菖蒲を飾るのかについては、菖蒲には邪気を払う力があると信じられていました。古来から5月5日に無病息災を祈る宮廷行事で用いられ、民家でも菖蒲を軒に飾りました。現在でも菖蒲湯に入ると健康によいとされています。

七夕の節句と重陽の節句について

7月7日 七夕の節句(笹竹の節句)

七夕の節句は、日本古来の「棚機津女信仰(たなばたつめしんこう)」と中国の「乞巧奠(きっこうでん)」(牽牛織り姫伝説)が結びついたもので、江戸時代には五色の短冊に詩や願い事を書き、竹に飾るようになりました。

また、七夕は神に捧げる収穫祭でもあり、小麦や野菜は欠かせない供え物でした

地方によっては、竹飾りの他にわらや紙などで人形、牛、馬などをつくり、軒下や家の入口、外の木枝に飾り、人形に厄を託して吹き飛ばしてもらう祈りの行事でした

9月9日 重陽の節句(菊の節句)

重陽の節句は、「菊の節句」とも呼ばれ、平安時代より不老長寿を願い、菊にまつわる行事が各地で行われていました。

この日は、秋の収穫祭でもあり人々はお神酒に菊の花を添え、稲、栗などをお供えして、神に感謝をし無病息災を祈りました

古代中国では、菊の花を浮かせた酒を飲むと菊の芳香と花の気品の高さによって邪気を払い、寿命が延びると考えられてきました。

この風俗が日本に入り旧暦9月9日に初寒を退け、長寿平安を願うという「重陽の宴」が生まれ、宮中や武家社で盛んに行われたということです

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