本日は、ひな人形の道具の種類についてお話しします。
ひな道具の種類

道具の種類
ひな道具は、ひな人形の持ち物、身の回りの品物、食器類(供物を盛る)などで構成されています。
標準的なセットは、次のもので構成されています。
三品揃/屏風、雪洞、立花
乗物揃/御所車、御駕籠
三つ揃/箪笥、長持、鋏箱
掛盤揃/膳、椀、高杯、三方、菱台
重箱
火鉢
対京/鏡台、針箱
台子/お茶道具
このほかに、よく使われる道具には次のものがあります。
三面揃(碁盤、将棋盤、双六盤)
三面鏡台
遊芸揃(琴、三味線)
行器(食物を入れる容器)
貝桶(貝合わせの道具を入れる物)
三棚(厨子棚、黒棚、書棚)
蒔絵の種類
ひな道具にほどこされる蒔絵は技法、図柄などで次のような種類に分けられます。
①技法上の分類
蒔絵は、手描蒔絵とプリント蒔絵に大別されます。
イ 手描蒔絵
直接筆で絵を描いていく伝統的な手法がこの手描蒔絵です。手描蒔絵には、高蒔絵と平蒔絵の二つの手法があります。
高蒔絵とは、表面より漆を盛り上げて絵を描くので盛上げ蒔絵ともいいます。三葉盛上げの中で、段に飾ったときに見える前面の部分だけを盛り上げた蒔絵を前盛上げ蒔絵といいます。
平蒔絵とは、高級蒔絵(上質の金を使用した場合)と並蒔絵に分けて蒔絵されています。漆を盛り上げないで平ばんに描く手法です。現在、手描きではほとんど行われずに、プリント式になっています。
ロ プリント蒔絵
プリント蒔絵とは、手描きに代えて、道具や機械を用いて絵をつける蒔絵の技法を総称していいます。プリント蒔絵の種類には、a.ゴム印式、b.スクリーン式、c.フィルムプリント(転写)式、d.ホットスタンプ式の四つの方式があります。
a ゴム印式
唐草模様を彫ったゴム印に金の溶液をつけ、素地に押して絵をつける方法です。ゴム印にカシュー(漆に似た化学塗料)をつけて下絵を押したのち、金粉をまいて絵をつける方法も行われます。ゴム印式は、大小さまざまの印を使い分け、細かい部分やわん曲したところにも絵がつけられる利点があります。
b スクリーン式
唐草模様を写真製版したスクリーン(絵の部分が透明で、他のところは不透明)を作り、その上から金溶液を塗りつけて素地に絵をつける方法です。金溶液が、透明な部分を通って下の素地に付着します。この方式では平面にしか絵付けができません。
c フィルムプリント(転写)式
唐草模様を写真製版でつけたフィルム(裏面に接着剤がついている)を素地の上において、熱を加えて焼付けます。この方法は、グラビア製版と同じで、多色(5~10色)の絵付けができるのが特徴です。
d ホットスタンプ式
唐草模様の金型(あるいはシリコン型)に熱を加え、アルミ箔を貼ったフィルムを素地に押しつけて絵を付けます。
②図柄の種類
イ 唐草蒔絵
つる草の這いまわる様を現わした模様の蒔絵です。大きくしても、小さくしてもひな道具にマッチするので盛んに使われる図柄です。全製品の約60%は唐草蒔絵だといってよいでしょう。
葉の数は、一つ葉、二つ葉、三つ葉、四つ葉とありますが、三つ葉が一番多く使われています。
ロ 山水蒔絵
山の景色(山水画)を図柄にした蒔絵です。
ハ 花鳥蒔絵
花や鳥を図柄にした蒔絵です。
③蒔絵の質の種類
蒔絵は、使用する金粉の質により三種類に分けられます。
イ 本金蒔絵
芥子粉(蒔絵用純金)の金粉を使った蒔絵で、最も高級品に使われます。
ロ 中金蒔絵
芥子粉に近い他の金属粉(LGゴールド)を使った蒔絵で、上物に使われます。
ハ 金蒔絵
代用金(真鍮粉)を使った蒔絵です。並物に使われます。
お持ちのひな人形、道具をゆっくりご覧下さって、雅な世界を鑑賞されることをおすすめします。
本日は、ひな人形の道具の種類についてお話ししました。
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