ひな人形について

ひな人形の大切なお話について

 9月に入りますと、朝晩めっきり涼しくなって肌寒い時もあります。

 日中は温度も上がり、寒暖の差が激しくなりますが、体調を崩されないようにご自愛下さい。

 

 夏休みに帰省された時に、来年のひな人形をとおっしゃる方が来店されます。

 実際に現品を目でお確かめになって、ご覧になる方もいらっしゃいます。

 来年のひな人形のカタログはまだ出来上がっていませんが、できたらカタログを送って下さいとおっしゃる方もいらっしゃいます。

 暑い夏が終わると、ひな人形ももうすぐかなと思うこともあります。

 何十年に一度のお買い物ですし、お祝いのお人形です。

 ご家族、ご親族みなさんでよくお考えになって、吟味してお買い上げになります。

 姉様は衣裳着のおひなさまだったから、妹様には木目込のひな人形とか、姉様は3段だったから妹様もいっしょにとか、今度はケースのおひなさまになさる等、それぞれのお思いはいろいろです。

 おひなさまはお母様やお祖母様のをリメイクされる方や、お一人お一人のお祝いだからといって、お一人お一人に姉様に2つ、三姉妹なら3つとおひなさまをお買い上げの方もいらっしゃいます。

 それぞれにいろんな思いがおありでしょうから、よくお考えになって決められるといいと思います。

 

Contents

ひな人形の大切なお話

ひな人形を飾る意義

 ひな人形は、女の子の誕生を祝うとともに、その健やかな成長を祈って飾ります。

 古代中国では、月と日に同じ奇数が重なる日を忌み嫌い、その日は邪気を祓う様々な行事がありました。

 その影響を受けた日本では、3月3日に厄除けの儀式を行うだけでなく、子どもたちが人形で遊ぶようになり、その楽しいおまつりを、いつしか「ひなまつり」と呼ぶようになりました。

 ひな人形の主役は「お内裏様」と呼ばれるように、高貴なご夫婦のお姿をあらわしています。

 その気品高いお顔立ちや華麗な衣装、仲睦まじく並ぶ様子は、長い歴史の中で日本人が理想としてきた夫婦の姿。その「幸せのかたち」を飾って、女の子の輝かしい未来を祝福するのです。

ひな人形は一人に一つが基本

 ひな人形は、「人形(ひとがた)」または「形代(かたしろ)」と呼ばれる、人の形をかたどったものに穢れを移して難を逃れる厄除けに由来しています。

 つまりひな人形は大切な子供を守ってくれるお守りのような存在。

 女の子が無事に成長したところで、本来の役目は終わります。

 役目を終えた雛人形をそのまま飾り続けることに問題はありません。

 しかし、ご自身のひな人形をそのまま他の人(子供や孫など)へ引き継ぐのは誤りとされています。

 いろんなお考えがありますので、ごゆっくりご検討下さい。

 人形(ひとがた)や形代(かたしろ)は、持ち主の災厄を引き受ける「身代わり」。

 お守りと同様に、1人に1つ用意するものです。

 祖母や母親のひな人形が家にあっても、それは祖母や母親の身代わりをして、役目を終えた人形。

 子供には、「その子の災厄を引き受けてくれる」新たなひな人形を用意する必要があり、その子専用の身代わりになる人形があるということが大事なのです。

二人目が生まれた際もひな人形のご用意を

 二人目の娘が生まれたら、もう1つ新しいひな人形を用意してあげるのが良いでしょう。

 長女のために用意したひな人形は長女の災厄を引き受けるもので、次女も一緒に守ってもらうという願い方は誤りです。

 とはいえ、ひな人形を2組飾るのが難しいご家庭も多いことでしょう。

 その場合は、二人目のお子様専用の守り神となるような人形を新たに用意しましょう。

 

 ひな人形は一つお買い上げになったら、数十年長くお持ちになる方は百年の方もいらっしゃいます。

 お手頃なおひなさまもありますし、高価なおひなさまさまざまです。

 ご自分に合ったおひなさまをごゆっくりお考え下さい。

 

 来週は、ひな人形を買う前について、どんなことに注意されるとよろしいか、詳しくお話しします。

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