ひな人形について

ぼんぼりについて

ひな人形を飾るには、段、道具、人形があります。

お人形だけでも15人、持ち物1人で1つのお人形もあれば、1人で3つ持つお人形おあります。

15人×3で45、人形は1人ずつ台に飾りますので、プラ15人、60個の数になります。

人形屋さんが7段15人の道具、人形を数えたら、数百種類あったといわれています。

私共はそれぞれに意味があり、由来について一つでも多く皆様にご紹介したいと考えます。

資料が揃いましたら、徐々にご紹介したいと考えています。

本日は、「ぼんぼり」についてのべます。

 

ぼんぼりの歴史

「ぼんぼり」という言葉は、「ほんのり」が転化したものだという説があります。火袋に映る淡く、ほんのりした明りを言い表した言葉です。

はじめは、いろいろな灯火に取り付けた覆いのことをぼんぼりといっていました。やがてローソクを使う手燭(手に持って身近なところを照らす照明具)や燭台(座敷などに置く常夜灯)のことをぼんぼりというようになり、ローソクの火が風で消されないように、紙や布で作った火袋を付けるようになりました。

ぼんぼりが使われ始めたのかいつ頃からなのかはっきりしていません。しかし、日本にローソクが入ってきたのは鎌倉時代末期ですから、ローソクを使うぼんぼりが普及するのはそれ以降でしょう。江戸時代になるとぼんぼりは、公家や武家などの上流階級にかなり普及していきました。

 ぼんぼりがひな人形と一緒に飾られるようになったのは江戸時代の初め頃だと思われます。確かなことは分かりませんが、現存する江戸時代の雛人形には、ぼんぼり(燭台)のついた飾りがあります。

江戸時代初期に雛段へ

福岡・柳川の御花屋敷(柳川藩十二万石、立花家の別荘)は、古い雛人形が保存されていることで知られていますが、そこに所蔵される元禄時代のひな人形にはぼんぼりがついています。また、徳川家の雛祭りを描いた豊原国周の浮世絵、「葵艸松の裏苑」の雛飾りにもぼんぼりが描かれています。

はじめのうちは大名家など上流階級のひな人形に飾られましたが、江戸時代末期頃には一般にもぼんぼりを飾ることが普及してきます。江戸の十軒店をはじめとする雛市で、雛人形や他の雛道具類といっしょにぼんぼりが売られるようになり、その後は雛段の付き物になりました。

 ちなみに、ぼんぼりに電気がつけられたのは昭和20年代の終わり頃です。

ぼんぼりの産地としては岐阜が名高く大正時代の中頃から作られています。

最初に岐阜で作られたぼんぼりは、大内行灯を参考にした三本足ぼんぼりでした。この三本足ぼんぼりは、当時関西を中心によく売れた御殿飾りによくマッチして需要が多かったといいます。やがて御殿飾りが衰退し、屏風飾りがひな人形の主流になると、一本足の菊灯ぼんぼりに人気が移りました。

ぼんぼりの種類

ぼんぼりは、火袋の形で、丸型と角型に大別できます。つまり丸型は、火袋の輪が丸く、火袋全体がみかんのような形(メーカーや製品により多少異なる)をしています。角型は火袋の輪が角で、六角や八角をしています。

角型の代表的なものがナツメ型で、火袋がダ円型をしていて、ナツメの実に似ているところからこの名前が付いたものです。

足の形で分ければ、一本足ぼんぼりと二本足、三本足ぼんぼりに分けられますが、現在のぼんぼりはほとんど一本足になっています。

 台の形で分ければ、菊台、丸台、角台の三種に分かれます。最も一般的な菊灯ぼんぼりというのは、菊台のことで、台が菊花の形をしているところからついた名称です。

ぼんぼりの素材

ぼんぼりの素材は、ほとんどが木です。火袋の輪と骨には朴が使われています。朴は加工しやすく、狂いがないので、わん曲している火袋の骨組を作るのに適しています。ツバや棒、台に使用されるのは桜や朴が中心です。

塗りの材料は、下地としては砥の粉とニカワの混ぜたものを使い、下塗り、上塗りはカシュー塗料が一般的です。一部高級品には本漆も使われています。

火袋の絹布には、化学繊維(ベンベルク)が多く使用されています。以前は正絹(川俣絹)が使われることが普通でしたが、絹は温度、湿度の変化によって伸縮するために、現在は伸縮のない化学繊維のベンベルクがほとんどを占めています。

火袋の布は、ある程度の厚味がないと、光が強くなり絵も見えなくなって「ほんのり」とした感じが出しにくくなります。

飾り金具には、真鍮かアルミが使用されています。

ぼんぼりの製造工程

木工など部品加工

 木を削って、火袋の輪、骨、それにツバ、棒、台などの各部の形を作ります。

塗り

 形を作った木工部品に、下地を塗り、ヘラ付して表面を滑らかにします。その上に数度塗料を塗り、さらに磨きをかけます。塗りと磨きを何回も繰り返すほど良い製品ができることになります。

火袋張り

火袋の骨組を組み立て、絹布(ベンベルク)を貼っていきます。布の張りは骨と骨とで仕切られた部分ごとに短冊状に切った布を張っていきます。

④絵付け

火袋の絹布の上に桜や梅などの絵を描きます。張る前に布に絵を刷り込んでおき、後から張るものもあります。ベンベルクの場合は、絵付けした布を張る方法です。

⑤金具付け

棒の上下に、文様を刻んだ飾り金具を取り付けます。

⑥コード取り付け

ツバの上部にソケットを取り付け、コードは棒の中を通して台の裏側から外に出します。

 

最近は形も多様化され、各メーカーさんがいろんな形で、LEDでコードなしのコードレスのぼんぼりも多くなりました。

 

本日は、ぼんぼりについてのべました。

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