12月に入り、毎日コロナ患者さんが増加しています。
一日も早い感染の終息と、皆様のご健康とご多幸を祈り上げます。
Contents
ひなの節句に関する8つのご質問
本日は、今までいただいて多かったひなの節句に関するご質問についてお答えします。
なぜ3月3日に女の子の節句を祝うのでしょうか?
古くから、人の形に似せた人形(ヒトガタ)を子供の枕元に置いて、身のけがれ・わざわい・厄災等をその人形に身代わりとさせる風習がありました。また「ひいな遊び」といわれる子供たちの間で発生した人形遊びがありました。この「ひいな遊び」とヒトガタの信仰とが結びつき、江戸時代になって、3月の「初めの巳(み)の日」=「上巳(じょうし)の節句」が幕府によって、ひな祭りの日に制定され、今日に至っています。また、男女一対で飾るというのは道祖神信仰から始まったという説もあります。
お節句の祝い方は?
最近は、親せきなどはあまり招かず、祖父母と両親と赤ちゃんでホームパーティとして行うことが多くなりました。特に親しくお付き合いしている親せき以外は、招かなくても失礼にはあたりません。
ひな祭りの場合は、はまぐりのお吸い物とちらし寿司が定番です。はまぐりは、二枚の貝殻がぴったりと合うものは一組しかないため、一人の人と生涯連れ添うようにとの願いです。お寿司は、ちょうど新鮮な春の魚介類が出回る時期で季節感を味わうのに最適だからです。
端午の節句の場合は、お母さんの心づくしのごちそうでお祝いしましょう。ちまきや柏餅が付き物ですね。また、軒先に菖蒲をさしたり、お風呂に入れて菖蒲湯にして入ります。菖蒲は薬効があることから、昔から邪気を払うとされ、健康を願うものです。
初節句とは?生後間もない赤ちゃんの場合は?
初節句とは、生後初めて迎える節句のことです。生後すぐの赤ちゃんの場合は、翌年に初節句をお祝いになっても差し支えありません。女子の場合は、2月中旬以降、男子の場合は、4月中旬以降の生まれで翌年にされることが多いようです。
ひな人形や五月人形は誰が贈るものですか?
母方の実家から贈る事が一般的です。若夫婦にお金を送って節句人形を求めることもあります。ご両家で折半ということも最近では多くなりました。五月人形の場合には、母方のほうから室内飾りを、父方のほうから鯉のぼりをご用意されるというケースもあります。
いつ頃までに用意すればよいのですか?
贈られた方の対応もしやすくなりますので、できればひな人形は2月初旬頃、五月人形は4月初旬頃までに贈られるのが喜ばれるでしょう。ひと月遅れでお節句をお祝いになる地域の場合は、ひな人形は3月初旬、五月人形は5月初旬頃までとなります。
どんなタイプのお人形を贈ればよいのでしょうか?
昭和60年代頃までは、おひな様は豪華な7段飾り、五月人形は3段飾りが主流でした。しかし、最近は住宅事情もあり小型の平飾りが主流となっています。毎年飾るものですから、ライフスタイルに合わせて無理のない(大きすぎない)サイズをおすすめします。最初からケースに入った人形は、たためないので意外とかさばります。ケース入りよりも平飾りや収納箱飾りがあります。
兄弟姉妹で共用してもよいのでしょうか?
ひな人形、五月人形は、一人ひとりの災厄を身代わるという、古来からの風習です。つまり、本来は一人ひと飾りです。小さくても手作りでもよいですから、ご兄弟でも新しい生命には新しいお人形でお祝いしましょう。一人ひと飾りですから、お父さんお母さんからの譲り受けも本来の形ではありません。物を大事にすることは大切だと思います。人形などは職人さんが精魂込めて作ったものですからなおさらです。お父さんお母さんの人形を飾らないということではなく、親子の人形を一緒に飾っていただくことは理想ですね。
人形を片付けるときの注意は?
節句の意味の中には、季節の節目を祝う意味もあります。昔から、早く片付けないとお嫁に行けない(片付かない)といいますね。これは迷信ですが、いつまでも季節のものを時期はずれまで、そのままにしてはいけませんよというのです。
時期が過ぎたら、なるべく早い天気の良い乾燥した日に、ほこりをよく払ってしまいましょう。その際、少なめに防虫剤を入れます。あまりたくさん入れすぎると変色の原因となることがあるからです。また、防虫剤は毎年同じものを使いましょう。前の年と違う防虫剤を入れると化学反応を起こし人形に悪影響を与えかねません。市販の人形用と書かれた一般的なもので大丈夫です。乾燥した日にしまう理由は、人形は湿気を嫌うからです。最近のマンション等では、気密度が高いため、押入れでも結露が発生し、湿度が高くなることがあります。なるべく風通しのよいところで、湿度が高くならないところを選んで保管しましょう。
五月人形で、よろいかぶとは金属部分が多いので、防虫剤は厳禁です。防虫剤は繊維に対して有効ですが、金属を腐食(さびの発生)させてしまうからです。付属品の弓などは天然羽根が使われていますので少量の防虫剤を入れましょう。
最後に
数百年続くひな人形のお祝いは、これからも数百年続くと思います。
ぜひとも、お手元のひな人形を一度ひも解いてご覧下さい。
ご覧下さって、扇が足りない、お顔によごれが、道具にいたみが等の劣化があればご相談下さい。
誠心誠意をもってお返事申し上げます。
よろしくお願いいたします。