ひな人形について

貝合と裳について

8月に入ってからの暑さが続く中、台風や水害に遭われた方、関係者の方々に御見舞い申し上げます。

一日も早いご回復を祈り上げます。

共に、お身体にお疲れがでませんように祈り上げます。

9月に入れば涼しくなると確信して、毎日せっせとリメイクにおわれています。

涼しい部屋でじっと座って作業できるとよろしいのですが、お人形を抱えてあちらこちらの倉庫を回っています。

メジャーでOKでも、お人形を実際に飾ってみると、帯に短したすきに長しでふりだしに戻ったりしています。

 でも、完成して喜んで下さる方々のひな人形やお客様のお顔を思うと、何とかとせっせとリメイク・リサイズに励んでいます。

 11月以降に再開した時には、よろしくお願いします。

 

貝合

 本日は、貝合と貝覆、裳について詳しい資料を探しましたのでそのご紹介します。

分かりやすい資料を見つけましたので、ご覧下さい。

 

蛤は個体ごとに2枚の貝殻の形や模様が必ず一対になっており、また同じ個体でしか2枚の殻の形が一致しないことから、切り離した殻を元通りに組み合わせる遊びが生まれました。

平安時代のことです。

貝合と貝覆

 本来の「貝合」は、チームに分かれて集めた貝殻を見せ合い、その色合いや形の美しさ、珍しさを競ったり、また貝を題材にした歌を詠んでその優劣を競い合う貴族たちの遊びでした。

 一方、2枚の貝殻を元通りに組み合わせる遊びは、もとは「貝覆」と呼ばれていましたが、殻を合わせる所作から後に混同されて、同じく貝合よ呼ばれるようになりました。

貝殻の内面には紙を貼り、金箔を押して、源氏絵や花鳥などの絵を描き、極彩色に仕上げたものが代表的です。

旧暦の日数に合わせた360組の貝殻の中から、同じ装飾・同じ形の片方を探し合わせて遊びました。

江戸時代になると、内面を蒔絵や金箔で装飾し、貝を裏返して一対になる絵が描かれたものを探す遊び方に変化し、やがてこの遊びが、百人一首などのカルタ遊びになったといわれています。

雛道具として

また、同じ個体でしか形が合わないことから、夫婦和合の象徴として、公家や大名家の嫁入り道具に貝を納めた八角形の貝桶を持参しました。

これは婚礼調度の中で最も重要な意味を持つとされ、婚礼行列の際には先頭で運ばれ、その扱いには作法がありました。

すなわち行列が婚家に到着すると、まず初めに貝桶を新婦側から婚家側に引き渡す「貝桶渡し」の儀式が行われました。

なお現在では、人前式の演出として行われることもあるようです。

江戸後期、五人囃子などのひな人形の付属の人形や、道具の数が増加していく中で、以上の理由から雛道具としても普及していったようです。

奈良時代から着用されてきた宮中の女性服「裳」は、成人女性の正装において最も重要なアイテムでした。

 現代の女雛が着けている裳は、江戸時代に完成した形が主流です。

形を変えながら今に伝わってきた裳は、雛人形の衣裳において各社の工夫が生きる部分でもあります。

裳とは

貴族の女性が身に着ける正装「五衣唐衣裳」(十二単)を構成する着物の一つです。

 表着の上から腰部分に結びつけ、後ろに長く引いて装着します。

 五衣唐衣裳のなかでも、最も重要視されたものです。

後宮内に暮らす高位の女官たちは、天皇不在の際、唐衣の外すことは認められていましたが、裳まで外すことは、私服の重ね袿姿となってしまうため禁じられており、目上の人の前に出る際は必ず着用しなければならないものでした。

ひな人形の修理で多いものの一つに、裳の交換、新調があります。

後ろといえども、姫の衣裳で後ろの裳は重要な役目をもつ衣裳で、交換によってかなり様がよくなってきます。

 

本日は、貝合と裳についてお話ししました。

よろしくお願いします。

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