9月に入り、暑さもいい加減にかしらと思いますが、なかなか暑さが続き、毎日せっせとリメイク・リサイズに励んでいます。
今までにお預かりしましたお人形の仕上げ、リメイク・リサイズの変更等におわれています。
ケースとおっしゃった方が、スペースや保管の問題で収納箱に変更なさる方もいらっしゃいます。
この場所に飾りますとおっしゃっても、実際に測ってみるともうちょっとスペースに余裕があるとか、やはりもう少し小さい方がよろしいかとおっしゃいます。
お人形ありきですので、親王台や屏風を飾られてこれでぴったりとか、もうちょっと間口が大きいとぼんぼり、お花も飾られるのにとおっしゃる方がみえると、そのように修正します。
どんなにリメイク・リサイズがうまくいっても、人形ありき、大きさ(間口×奥行×高さ)ありが問題になります。
リメイク・リサイズ前の人形のスペース
ご存知のように、7段15人、3段5人、5段10人、ケースなら特大のケースをお預かりします。
このようなお人形、道具が今までお家に眠っていたのか、しまわれていたのかと考えると、ほとほと感心します。
その7段15人を収納箱(2人、5人)、ケース(2人、5人)、1段(5人)、2段(5人)、3段(5人)になさると、それは小さくなってコンパクトになって、飾るのも手軽ですし、収納されるのも身軽になります。
よくまあこれだけのお人形、道具をとっとかれたと思うと、頭が下がります。
押入れがいっぱいで、クローゼットがいっぱいで、倉庫にこれ以外に何も置けなくてとおっしゃいます。
昔の夢いずこで、さぞかしスペースに余裕があった時はお家はそれでよかったのかと思います。
現在は手狭になり、とても難しいです。
リメイク・リサイズされる理由
①人形を飾る時のだしてしまってが大変な労力である
②飾るスペースがなくなってきた、スペースが小さくなってきた
③人形を飾ってだして大変な手間がかかるわりに、ひな人形を見に来る人が遠方で来ない
④7段を作成してもうせんしいて、人形を飾って15人のお人形に持ち物をつけるとなると、大変である
⑤①~④のように飾って順番にしまうとなると、人形、道具にはたきをかけてしまうと、かなりの手間と労力を要する
⑥15人のお人形にやわらかい紙をまいてしまうのは、気をはる仕事である
7段15人を飾られた時の喜びは、華やかでさぞかし皆様もお喜びかとも思います。
華やかなかげに多くの努力があり、お察しいたします。
私共のように人形屋で70年、毎年ひな人形を飾っていても一般の方が7段15人を飾られるのは、大変かなと思います。
リメイク・リサイズされる大きな理由の一つに、こんなこともあるかなと思います。
七夕人形について
七夕人形の資料がみつかりましたので、ご紹介します。
一部地域に伝承される
七夕の節句に飾る人形を、七夕人形といいます。
この人形は、長野県松本市周辺、新潟県糸魚川市、富山県黒部市、山梨県山梨市と甲州市、兵庫県姫路市などで飾る風習があります。
とりわけ長野県松本市とその周辺の大町市は人形の種類が多く、飾る家も多いそうです。
松本の七夕人形にはさまざまな様式が見られますが、大きく分けると「着物掛け型」「紙雛型」「流し雛型」の3つがあります。
七夕人形に込められた願いとは?
着物掛け型は、板製の上半身に腕木を付けた男女一対の人形です。
これに着物を掛けて頭上の留め具に紐をつけ、軒先に吊るします。
見た目は顔つきのハンガーといったところです。
髪雛型は男女一対の紙製の吊り人形で大小ありますが、大きいものでは80~90cmあります。
流し雛型は色紙で作った簡単な一対の雛で、七夕に飾ったあと川に流します。
七夕人形を飾る理由は、子どもの健やかな成長を願うものですが、着物を着せて飾ると「もっとよい着物が返ってくる」という言い伝えもあるそうです。
江戸中期の随筆などに、人形を飾る記載があることから、松本では江戸中期に始まったものと考えられています。
新潟県糸魚川市の根知谷では、七夕に道を横切って張った綱に「嫁さん」「婿さん」と呼ばれる男女一対の人形と、そのお供の人形などを飾る七夕人形の綱飾りがあります。
また富山県黒部市では大型の姉様人形を作り、木製の台に固定して立て七夕のとき集落の小川に女の子が押して流します。
流し雛型の七夕人形です。
一方、山梨市市川・甲州市勝沼町では、七夕紙で作った男女一対の七夕人形を笹竹に飾ります。
足の部分は切って長く垂らします。
姫路では市川周辺の地域に「七夕さんの着物」と呼ばれる男女一対の紙衣があります。
2本の笹竹の間に渡した竹竿に紙衣の袖を通して飾り、子どもが着物に不自由しないようにという願いを込めます。
本日は、リメイク・リサイズ前の人形のスペースとリメイク・リサイズされる理由、七夕人形についてのべました。
ご質問等がございましたら、お問い合わせ下さい。
よろしくお願いします。