8月に入り、オリンピックの閉会式も終え今週はお盆を迎えます。
お墓参りを終え家庭に帰られ、お仏壇にお参りされる方もいらっしゃると思います。
ご先祖様におまいり、今現在お幸せなことを感謝されることと思います。
本日は、ユネスコ無形文化遺産登録についてお話しします。
一般社団法人「日本の節句文化を継承する会」の広報誌より、五節句について「7月7日」、「9月9日」の節句についてお話しします。
7月7日 七夕の節句(笹竹の節句)
七夕の節句(節供)は、日本古来の「棚機津女信仰(たなばたつめしんこう)」と中国の「乞巧奠」(きっこうでん…牽牛織り姫伝説)が結びついたもので、江戸時代には五色の短冊に詩や願い事を書き、竹に飾るようになりました。
また、七夕は神に捧げる収穫祭でもあり、小麦や野菜は欠かせない供え物でした。
地方によっては、竹飾りの他にわらや紙などで人形・牛・馬などをつくり、軒下や家の入口、外の木枝に飾り、人形に厄を託して吹き飛ばしてもらう祈りの行事でした。
9月9日 重陽の節句(菊の節句)
重陽の節句(節供)は、「菊の節供」とも呼ばれ、平安時代より不老長寿を願い、菊にまつわる行事が各地で行われていました。
この日は、秋の収穫祭でもあり人々はお神酒に菊の花を添え、稲、栗などをお供えして、神に感謝をし無病息災を祈りました。
古代中国では、菊の花を浮かせた酒を飲むと菊の芳香と花の気品の高さによって邪気を祓い、寿命が延びると考えられてきました。この風習が日本に入り旧暦9月9日に初寒を退け、長寿平安を願うという「重陽の宴」が生まれ、宮中や武家社で盛んに行われたということです。
ユネスコ無形文化遺産登録について
ユネスコ無形文化遺産登録とは、ユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されることですが、代表一覧表へ提案の決定は文化庁の無形文化遺産部会で行われます。この会は、現在、有識者を中心に12名で構成されていますが、代表一覧表への提案については、すでに登録されている「重要無形文化財」、「重要無形民俗文化財」及び「選定保存技術」のそれぞれから指定の時期、地域バランス、その他を考慮し、順次提案してゆくとの方向が決定されています。
また、登録に当たっては、通常、法令によって伝承、継承、保護措置が取られていることが前提になりますが、「和食」については東日本大震災からの復興のために、国策として農林水産省が積極的な働きかけを行い、文化財保護法の適用されない社会的習慣として例外的に提案されたものです。その後は前記の方向に沿って、提案数が制限されたために、毎年グループ化して順次提案されています。
ユネスコ無形文化遺産 一覧
現在までのユネスコ無形文化遺産には、下記のような文化遺産があります。
①能楽
②人形浄瑠璃文楽
③歌舞伎
④雅楽
⑤小千谷縮・越後上布
⑥甑島のトシドン
⑦奥能登のあえのこと
⑧早池峰神楽
⑨秋保の田植踊
⑩チャッキラコ
⑪大日堂舞楽
⑫題木立
⑬アイヌ古式舞踊
⑭組踊
⑮結城紬
⑯壬生の花田植
⑰佐陀親王
⑱那智の田楽
⑲(和食)日本人の伝統的な食文化
⑳(和紙)日本の手漉和紙技術
㉑山・鉾・屋台行事
㉒来訪神 仮面・仮装の神々
本年度は、継承する会の目的である「節句文化を未来に伝える」その為にも、ユネスコの無形文化遺産登録を目指すための活動に集中していきます。
洋風化した生活環境の中、薄れ行く日本の節句文化継承のために、今何が必要なのか、私たちは研修会や講演会を通じ修練を積み進めて参ります。
「節句文化」を社会的習慣としてユネスコ無形文化遺産登録するのは並大抵な事ではありませんが、可能性を信じて積極的に活動を行って参ります。
ブログをご覧になった方々のご意見、ご助言お待ち申し上げております。