ひな人形について

ひな人形をお買い上げの際の多いご質問のお話

 本日は、ご質問の多いひな人形のご質問にお答えします。

 資料・文献を探しまして、それに基づいてお答えします。

ご質問や正式名称

 お買い上げの際の最も多いご質問にお答えします。

 

人形の値段の違いは?

頭(かしら)の違い頭には「京頭」「江戸頭」の二系統があり、その中でも職人によるさまざまな顔、さまざまなランクがあります。

衣裳の裂地の良し悪し…目がつんで、金襴なら金糸、銀糸のしっかりしたものが良い品です。なお、現在では絹以外にもすぐれた人絹化繊が沢山あります。

仕立ての違い…お雛様によって、本物の衣裳のようにつくられる本仕立て、上下2つに分かれるものなど、さまざまな仕立て方があります。

人形師の経験、技術、製作数の違い…主に京製や作家ものの場合、これらが大きく物をいいます。

雛道具の素材の違い…素材が木製か、プラスチックかで値段はかなり変わります。また、同じ木製でも蒔絵の技法によって値段にも大きな差が生じます。

 

お雛様をしまうのが遅れると、お嫁に行くのが遅れるというのは?

 昔からよくいわれることですが、別に深いいわれはありません。しかし、ひな祭りはやはり季節の行事、お節句は三月三日限りのことですから、それが終わったらなるべく早くしまったほうがよい、という教訓なのでしょう。また人形の保存の面からも、そのほうが望ましいと思われます。

 飾る時期については、二・三週間くらい前に出して、お雛様の由来などを話して聞かせながら、お子様と一緒に飾り付け、当日を楽しみに待ちましょう。

 しまうのは四日以降、なるべく晴れた日に、毛ばたきなどで丁寧にほこりを払って、柔らかい紙で包み、人形用の防虫剤なども入れて、湿り気の少ない場所に大切にしまいます。

 

纓(えい)とは?

 殿の冠の付属具で、髻(もとどり)をおさめる巾子(こじ)の後ろに挿すものを纓といいます。

 これは冠が脱落しないように巾子の根本を引き締めて結んだ紐の名残です。天皇のみが用いられる立纓(りゅうえい)、一般諸臣が用いる垂纓(すいえい)のほか、武官の巻纓(けんえい)などがあります。内裏雛の男雛のほとんどが立纓なのは、それがきわめて尊い身分であることを暗に表現したものです。

 ちなみに、随身の冠の付属具で、顔の左右に覆いかけるようにしたものを緌(おいかけ)といいます。なお、五人囃子がかぶるのは侍烏帽子(さむらいえぼし)、仕丁がかぶるのは平礼烏帽子(へいれいえぼし)で、冠ではありません。

 

「かけおび」が正式名称

 女雛の肩から胸にかけて刺繍や金彩等をほどこした平帯のようなものが付けられています。これを業界では「けんたい」と呼んでいますが、「かけおび」が正式名称で、掛帯・懸帯と書きます。これは中世以来の女性の装束の部位の名称で、背後には裳(も)を着用しますが、そのつけ方も時代によって変化があります。この「かけおび」を付けることで、お雛さまは一層華やかな雰囲気になります。ただし、人形の作りの良さをアピールする京雛や、作家もの等では、こうした飾りをつけないことも多いようです。

 

繧繝縁(うんげんべり・うげんべり)

 同じ系統の濃い色から淡い色へ、さらに別の系統の淡い色から濃い色へと段層的に色彩をあらわすこと(グラデーション)を古くは繧繝といい、また赤・紫・紺などの色で段替りに濃淡をつけて区切った錦織物を繧繝錦と呼びます。この錦を縁(へり)につけた畳は、天皇・上皇・親王・摂関家・神社の内陣などに限って用いられる尊いもので、内裏雛の多くが繧繝縁の畳に座しているのは、それが単なる人形ではなく、大変尊い存在であることを暗示しているのです。

 男雛・女雛が座る畳台の前面の縞模様の裂地を繧繝縁と言います。

 

 私なりに分かりやすく、丁寧に述べたつもりですが、ご質問等ございましたら、なんなりとお気軽にお尋ね下さい。

 お返事申し上げますので、よろしくお願いします。

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