先日年が明けたばかりだと思っても、はや1月1日、3月3日、5月5日の3つの節句を終えます。
今年は特に1月1日の能登の地震に始まり、いつもの年に比べて月日のたつのが長いような短いような気持ちがします。
早く復興が進んでいると良かったねと申せますが、今なお断水が続いていると聞きますと、なんとも言葉もでずただただお見舞い申し上げます。
1日も早い復興をと祈念いたします。
石川県からもリメイク・リサイズのお人形をお預かりして、現状が落ち着くまでとお聞きして、大切にお預かりしています。
本日は、ひなの節句についてお話しします。
ひなの節句は3月3日ですが、まだまだ4月3日のところもありまして4月半ば以降ひな人形をリメイク・リサイズされる方もいらっしゃいます。
ご質問、ご依頼お受けします。
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ひなの節句のお祝い
ひなの節句の時期になると、部屋いっぱいに大きなひな段が組まれ、そこに代々受け継がれてきた新旧さまざまな人形や道具類が所狭しと並べられます。
対照的に、近年、古くなったひな人形を市民から集めてピラミッド状にたくさん並べたり、ポーズをつけて何かの場面を表現したりといった集客目的のイベントが全国各地で盛んに開催されています。
それはそれで、ひな人形のお披露目でありかなと思います。
多種多様な日本人形のなかでも、ひな人形や五月人形は、年に一度の節句にお出ましいただく神様の依代であって、いわば神像や仏像に近い存在であると考えています。
節句は元来、「節供」です。
そこで最も大切な、節日のお供えという本義が薄れてしまっているからこそ、節句人形を粗末に扱っても平気なイベントがまかり通ってしまうのでしょう。
かつての大名家、公家、旧家にもわたるひな人形がいっしょに飾られていることが多く、「これはお母さんのもの、あれはお祖母さんのもの、その隣りは曾祖母さんのもの」というように、内裏雛だけでも何組も並んでいます。
その家に生まれたか、嫁いできた代々の女性たち、それぞれのひな人形なのです。
女の子の初節句、その子のために求めた新しい雛といっしょに、母や祖母、あるいはもっと先祖の雛までも賑やかに飾られているさまを「実にめでたい」、代々の節句飾りこそは、その家の酈や繁栄を物語るかけがえのない宝物ともいえます。
時期的には、五月人形をしまわれる時期です。
五月人形のしまい方についてご説明します。
天気が良くてからっと晴れた日にしまいましょう。
それでは、しまい方をご説明します。
・兜のしまい方
①付属品を包む
鍬形は2枚が直接触れないように、柔らかい薄紙等で包みます。龍頭も同様に薄紙等に包んで、箱にしまいます。
※龍頭が無い兜もあります。
②金属部分を包む
吹き返し、眉庇を柔らかい薄紙等で包みます。金属面は直接手を触れないように注意してください。
③兜をしまう
保護のため、櫃に布または紙を敷き、兜を上の写真のようにしまいます。
④保護布(紙)で包む
保護用の布または紙を四方から包み蓋をします。上部および空間には軽く丸めたパッキンを入れるとよいでしょう。
・鎧のしまい方
①付属品を包む
鍬形、龍頭などの金属は柔らかい薄紙等で包み、毛沓などは箱に入れ、付属箱にしまいます。付属箱は段ボールの箱の底にしまいます。
※付属箱が無い場合もあります。
※龍頭・毛沓・脛当・面頬がつかないタイプもあります。
②兜、佩楯を包む
兜は柔らかい薄紙等に包み、佩楯は薄紙またはビニール袋に包みます。
③胴をしまう
保護のため櫃に布または紙を敷き、金属部分は柔らかい薄紙等で包み、芯木を付けたまま胴を上の写真のようにしまいます。
※芯木を外してしまうタイプもあります。
④兜をしまう
兜を左側の空いた箇所にしまい、最後に佩楯を上に置きます。
※佩楯は付属箱に入る場合もあります。
⑤保護布(紙)で包む
保護用の布または紙を四方から包み蓋をします。
⑥櫃に蓋をする
櫃の隅々の空いた部分に上質紙などを丸めてパッキングし(あまり強く押さえないよう気を付けて下さい)櫃の蓋を上質紙で包み、櫃に蓋をします。
⑦段ボール箱に入れる
付属箱を段ボール箱の底に入れ、上から櫃を入れ、しっかり蓋をします。
保存は、直射日光が当たらず、湿気のない、風通しの良い場所に置きましょう。
※付属箱がない場合もあります。
しまい方ワンポイントアドバイス
※しまう前に、羽根はたきなどでホコリを丁寧に払い落としてください。また、飾り金具や鍬形など、金属部分に指紋がついている場合は、乾いた柔らかい布で、丁寧に拭き取ってください。櫃の汚れも同様です。
※しまう時も飾る時と同様に手袋をするようにしましょう。
※防虫剤は金属腐食のおそれがありますので、十分にご注意ください。
今回は、ひなの節句についてと五月人形のしまい方についてお話ししました。
ご質問等ございましたらお気軽にお尋ねください。
よろしくお願いします。